NTTは買いなのか?「最強のディフェンシブ株」の業績・配当・株価を分析

「ディフェンシブ株といえばNTT」。

そう考える投資家は多いだろう。通信という生活に欠かせないインフラを持ち、景気が悪化しても業績が急激に落ち込みにくい。さらに長期的な増配実績もあり、配当を受け取りながら長く保有する銘柄として人気が高い。

では、現在のNTTは本当に買いなのか。

今回は業績、配当、株価、PER・PBR、そしてリスクを数字から分析する。

NTTの業績は安定している

まずは売上高と営業利益である。

年度営業収益営業利益
2023年度13兆3,746億円1兆9,229億円
2024年度13兆7,047億円1兆6,496億円
2025年度14兆4,091億円1兆7,062億円
2026年度予想15兆600億円1兆7,100億円

営業収益の推移

2023年度 █████████████████ 13.4兆円

2024年度 ██████████████████ 13.7兆円

2025年度 ███████████████████ 14.4兆円

2026年度 ████████████████████ 15.1兆円

営業収益は着実に増えている。

一方で、営業利益を見ると少し違った景色が見える。

営業利益

2023年度 ████████████████████ 1.92兆円

2024年度 █████████████████  1.65兆円

2025年度 ██████████████████  1.71兆円

2026年度 ██████████████████  1.71兆円

売上高は増えているものの、利益の伸びはまだ力強くない。

ここはNTTへの投資を考えるうえで重要なポイントである。

「増収=大幅な増益」ではない。

今後はAI、データセンター、ITサービスなどによって、増えた売上をどこまで利益につなげられるかが重要になる。

NTTの最大の魅力は「配当」

NTTは2026年度に年間5.4円の配当を予定している。

これは前年度の5.3円から0.1円の増配であり、16期連続増配となる予定である。(NTT)

1株当たり配当金

2023年度 5.2円 ██████████████████

2024年度 5.2円 ██████████████████

2025年度 5.3円 ███████████████████

2026年度 5.4円 ████████████████████

NTTの配当利回りは、2026年9月11日時点で約3.1%である。

3%程度なので「超高配当株」とまでは言えない。

しかし、NTTの魅力は高い配当利回りそのものより、長期的に増配を続けていることにある。

さらにNTTは2026年5月に、最大2,000億円の自社株買いも決議している。(NTT)

つまりNTTは、

「配当+自社株買い」

によって株主還元を強化しているのである。

現在の株価は割安なのか?

2026年9月11日のNTT株は175円台である。

PERは約14.6倍、PBRは約1.45倍、予想配当利回りは約3.1%となっている。

現在の株価指標

株価    175.7円

PER     14.6倍

PBR     1.45倍

配当利回り 約3.1%

PER14倍台という水準から考えると、極端な割高感はない。

ただし、「誰が見ても割安」という水準でもない。

そのため、NTTは株価が安いから買う銘柄というより、安定した利益と増配を期待して長期保有する銘柄と考えた方がよい。

株価は意外と動く

「NTT=ディフェンシブ株」と聞くと、株価もあまり動かないと思ってしまう。

しかし実際にはそうではない。

2026年6月23日の年初来安値は143円だったのに対し、9月11日には176.4円まで上昇している。

2026年6月23日 143円

    ↓

2026年9月11日 176.4円

約23%上昇

したがって、NTTの「ディフェンシブ性」とは、株価が下がらないという意味ではなく、景気が悪化しても事業そのものが崩れにくいという意味で考えるべきである。

NTTの成長材料

NTTの今後を考えるうえで注目したいのが、

AI
データセンター
ITサービス
IOWN

である。

従来の通信事業は成熟しているが、AIの普及によって通信・データ処理需要は拡大している。

NTTはこうした成長分野への投資を進めている。

つまり、

「安定した通信事業」+「AI・データセンターなどの成長事業」

という組み合わせがNTTの今後のポイントである。

一方でリスクもある

最大のリスクは、国内通信市場の成熟である。

スマートフォン契約者を大幅に増やして売上を伸ばすことは難しく、通信料金競争が激しくなれば利益率が低下する可能性もある。

また、AIやデータセンターは成長分野である一方、大規模な設備投資が必要になる。

そのため、

「AI需要が増える=NTTの利益がそのまま増える」

とは限らない。

海外IT事業の収益性やデータセンター投資の回収効率についても注視する必要がある。

NTTの投資判断

数字から見ると、NTTは非常に特徴のはっきりした銘柄である。

項目評価
事業の安定性★★★★★
配当★★★★☆
財務・事業基盤★★★★★
成長性★★★☆☆
割安感★★★☆☆
長期保有★★★★★

NTTの魅力は、爆発的な成長ではない。

「安定して利益を稼ぎ、その利益を株主に還元しながら、次の成長分野にも投資する」

という点にある。

現在の株価175円台、PER約14.6倍、配当利回り約3.1%という水準は、極端に割高とは言いにくい。

一方で、営業利益の成長はまだ限定的である。

したがってNTTは、

「短期間で株価2倍を狙う銘柄」ではなく、「配当を受け取りながら10年単位で保有する銘柄」

として魅力がある。

特に今後注目したいのは、AI・データセンターなどの成長分野によって、現在1.7兆円程度の営業利益をどこまで伸ばせるかである。

安定性はすでに十分。これから問われるのは「成長」である。

この成長が確認できるのであれば、NTTはディフェンシブ株でありながら、長期的な株価上昇も期待できる銘柄になる可能性がある。

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